ドラムに限らず私たちプレイヤー達は、
良い演奏、素晴らしい音楽を奏でたいと常に思っています。
あまりにも好きすぎてしまい、
自分では表現できないものがあると、
その相手に対して嫉妬してしまうときがあります。
人間が出来ていない私は、
しょっちゅう嫉妬してばかりです。
では『悔しい』という気持ちと、
『嫉妬』はどう違うのでしょうか?
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嫉妬と悔しさ
『嫉妬心』は、人に対して起こる感情ですが、
『悔しい』といった感情は、自分自身に対して起こる感情です。
私は音楽の他にも語学が趣味で、地道に学習を続けています。
帰国子女でもないにも関わらず流暢に
英語を話す人を見ると
羨ましいという感情と嫉妬心が芽生えます。
しかし、他の韓国語や中国語に関しては
全くそういった感情が起こらないのです。
これは、自分の中で英語という言語を
克服したいという気持ちから来るのだと思います。
他の言語は全く興味が湧かないため、
嫉妬心もわかないのです。
悔しいと言った気持ちも同じで、
出来ない自分に腹を立ててしまうと言った感情です。
音楽も同様で、自分ではとてもできない
フレーズを作り出すプレイヤーを見たとき
同様の感情が起きます。
自分のレベルのバロメーターがわかる
この感情は特徴があり、
自分のレベルの近似値のレベルに対して起こります。
先の外国語の話ですが、
自分のレベルより遥か彼方のレベルの人、
例えば通訳者の人を見ても
嫉妬や悔しいといった感情は起きず、
ただただ感銘するだけです。
それは自分のレベルのバロメーターがわかります。
私の中では、通訳者には端から成れない
と思っているのです。
ドラムも同じで、やはり自分の近似値の
レベルに『嫉妬』や『悔しさ』を覚えるのです。
私はこの『嫉妬』や『悔しさ』という
感情を感じたら、良い傾向だと思っています。
それはまだまだ自分の中に伸びしろが
存在していることを意味しているので、
これからの努力次第では更に飛躍が
出来る可能性を持っていると分かるからです。
自分のレベルに近い人に嫉妬心を感じ、
それを努力によって超える、
そうしているうちに、その嫉妬相手を
みても、何も感じなくなる、
こうしたことの繰り返しは、自分の
レベルアップが容易にわかるようになります。
この『嫉妬』や『悔しさ』を感じたときは、
何やら嫌な感覚に陥ってしまいますが、
それはチャンスのサインと捉えると、
マイナスのマインドがプラスに直ぐ変わります。
皆さんも覚えておいてください。
一流な人ほど消えない感情
若いころは血気盛んな人でも年齢を
重ねることで、だんだんと優しくなる人がいます。
若いころは、誰にも負けたくないと
思っていた感情も、年齢を重ねると、
認めるようになる心の変化が起こります。
これは人間なら誰でも起こりうる感情の変化です。
私は様々な人を見て思うのですが、
『嫉妬』や『悔しさ』という感情は、
一流な人ほど消えない感情だと考えています。
私の周りにいる活躍している人を見ても、
70代、80代になってもギラギラ輝いている人は、
何かが違います。
その何かの一つが『嫉妬』や『悔しさ』
という感情なのだとも思っています。
感情がマイナスに働く例え
『嫉妬』や『悔しさ』というのは、
自分へのプラスのサインという説明をしましたが、
中には自分の肥やしとは考えない人が必ずいます。
相手先に嫌がらせをしたりするようなタイプです。
こういったタイプの人はレベル自体
大したことはありません。
ただ単純に、子供が自分の持っていない
おもちゃを欲しがる感情に似ています。
皆さんも、色々な思いで
日々トレーニングしていると思いますが、
こうした『嫉妬』や『悔しさ』を
持てるということは非常に素晴らしいことです。
また、そういったライバルがいる
ということも素晴らしい環境だと思います。
相手を大切にしながら自分を成長させて下さい。