私の音楽活動は、
演奏と指導が
メインになっていますが、
もう一つ長年続けてきた活動が
あります。
それは『音楽療法』です。
様々の病院や介護施設に
出向いては、
そこの患者さんや、
入居者の方たちと
一緒に打楽器を叩きます。
私がこの活動を
するきっかけとなったのが
『ドラム・サークル』
といわれるもので、
単純に言えば、
各パーカッションを
持った人たちが
円形に陣を取り、
その中心に先導する人の
指令に合わせて
打楽器を叩くというものです。
先導する人は、
『ファシリテイター』
と呼ばれる人で、
周りの状況を読み取りながら、
次々とリズムを与えていきます。
その後、
株式会社ヤマハから
『ヘルスリズムス』
といわれる、
ドラムサークルを応用した
音楽療法のプロジェクトが
始まりました。
これはドラムヘッドで有名な
アメリカの『REMO社』と
神経免疫学者の
バリー・ビットマン博士、
音楽療法士の
クリスティーン・スティーブンスさんが
臨床実験を通じて開発した
プロトコルを組み立てたものです。
111名の健常者に
このヘルスリズムスを行った結果、
ナチュラルキラー細胞の活性、
リンホカインキラー細胞活性、
DHEA対コルチゾル比が増大するという、
免疫向上、ストレス低下を示す
データーを得たことから作られました。
私は、
この資格を取り、
仲間と様々な所へ出掛けていました。
病院や施設の入居者の方たちに合わせて、
可能な限りわかりやすいリズムを出します。
ほとんどの患者さんや入居者の方は
自由に体を動かすことが出来ません。
しかし、だんだんと指が動きだし、
身体のどこかしらの部分で
リズムを取り出すようになります。
私はこれは打楽器だからこそ
出来るものだと確信しました。
仮に他のピアノやギターなどの楽器を使うと、
メロディとハーモニーという部分では
心地よさを与えてくれますが、
心から感じるリズム感というものを
引きだすには打楽器にはかないません。
このプログラムは、
何も資格を取るために
勉強が必要かと言うと、
全くそんなことはなく、
誰でも出来るプログラムです。
ではどうすれば、
こういった免疫が高まるような
ドラミングが出来るのかを説明します。
先ず第一に
グループドラミング
ということが
ヒントになります。
打楽器を一人で叩くのは、
打楽器奏者は楽しいですが、
そうでない人は楽しめません。
しかし、グループでやり出すと
不思議な現象が起こり出すのです。
相乗効果と言えるかもしれませんが、
相手の叩く音に反応し、
そしてまた自分で作り出す。
この繰り返しが
気分の高揚を生み出します。
通常のドラムサークルは
この高揚をさらにHighにまで
高めることを目的としますが、
音楽療法ではクールダウンを行います。
この高揚とクールダウンが
免疫活動を高めるのです。
もしあなたが周りで音楽療法を
始めてみたいと考えているなら、
この高揚とクールダウンを取り入れた
ドラムサークルを
やってみるのも一つの手です。
ヘルスリズムスで使われている流れを
まとめておきますので、
是非参考になさってください。
STEP1 自己紹介とヘルスリズムスの説明
STEP2呼吸を整えます。
STEP3 緊張の緩和です。
具体的にはシェイカーなど
小さな打楽器を使い、
リズム遊びをします。
STEP4 打楽器の叩き方の説明です。
STEP5 言葉でリズムを作ります。
具体的には、
『田中』という名前をいったら、
『タン、タン、タン』
と叩く感じです。
STEP6 円の中心で
ファシリテイターが先導します。
STEP7 自由に叩いてもらいます。
ここが一番興奮する場面です。
STEP8 感情の表現を
リズムで表します。
STEP9 イメージ誘導
ここがクールダウンです。
STEP10 呼吸の調整
簡単ですが、
この流れを応用するだけで、
誰でも打楽器をつかった音楽療法が
出来ます。
もしあなたが本格的な
音楽療法を考えているのでしたら、
専門の機関で
勉強する必要がありますが、
そうでないなら上記のルーティンで
十分です。
是非参考になさって下さい。
【管理人川端のまとめ】
・『ドラム・サークル』は、各パーカッションを持った人たちが円形に陣を取り、その中心に先導する人の指令に合わせて打楽器を叩くというもの。
・先導する人は、『ファシリテイター』と呼ばれる人で、周りの状況を読み取りながら、次々とリズムを与えていく。
・ヘルスリズムスは、ドラムヘッドで有名なアメリカの『REMO社』と神経免疫学者のバリー・ビットマン博士、音楽療法士のクリスティーン・スティーブンスが臨床実験を通じて開発したプロトコルを組み立てたもの。
・ヘルスリズムスは、免疫向上、ストレス低下を示すデーターを得たことから作られた。
・心から感じるリズム感というものを引きだすには打楽器が最適。
・相手の叩く音に反応し、そしてまた自分で作り出す。この繰り返しが気分の高揚を生み出す。
・通常のドラムサークルは高揚をさらにHighにまで高めることを目的とするが、音楽療法ではクールダウンを行う。