ドラムを立って叩くことを
『スタンディング・ドラム』
と言いますが、
皆さんは経験があるでしょうか?
通常のドラムセットしか知らない人は
『えっ? 立って叩く? どういうこと?』
と面食らうかもしれませんが
ちゃんとこの分野は確立されているんです。
私は学生時代にスタンディング・ドラム
のバンドに在籍していた経験があります。
その際に経験した様々な練習方法や
注意点を述べてみたいと思います。
Contents
色々な立奏楽器とその特徴
立奏楽器とは読んで字のごとく
『立って演奏できる楽器』です。
ギター、ベース、キーボード、
サックス、トランペットetc…
思い起こしても、普段バンドでやる
楽器はほとんど出来ます。
これらの楽器は体を動かしながら
リズムをとりメロディーや和音を奏でます。
パーカッション類もマーチングの
スネア、バスドラムなど見る機会は多いと思います。
ドラムセットの場合、ハイハットや
バスドラムも使うため
ドラムセットを立奏で使う人はあまりいません。
カクテル・ドラムというのもありますが
少し範疇が違います。
スタンディング・ドラムのルーツ、スリム・ジム・ファントム
ドラムセットを立奏で使うドラマーと言えば、
『スリム・ジム・ファントム』
が有名ですね。
ネオロカビリーというジャンルで
ブライアン・セッツァーの
『ストレイ・キャッツ(Stray Cats)』
でスタンディング・ドラムを叩いていました。
彼は元々ジャズを志していたそうで
かなりのジャズドラマーに師事したようです。
最終的にはロックン・ロールに
傾倒し今のスタイルを作り上げました。
今でも様々なロカビリー関係のライブで目にします。
スタンディング・ドラムの注意点
通常のドラムセットの場合、
両手、両足を駆使して演奏します。
いわゆる
『4ウェイ・コーディネーション』
と言われるモノです。
スタンディング・ドラムの場合は、
立つわけですから両足全部は出来ません。
ハイハットかバスドラムを使うことになります。
スタンディング・ドラムは
ハイハットを除くスタイルが多いです。
ハイハットがなくなる訳ですから
負荷が無くなるかと言えば全く逆です。
左足に体全部の力が掛かりますから
疲労度は通常のドラムセットよりキツくなります。
スタンディング・ドラムの練習方法
手に関しての練方法は普段のメソッドを
立って練習すればOKです。
通常座って練習している人は
腰の重心がなくなり、かなり違和感を覚えます。
いかに座ることで安定できるか分かります。
足に関してはかなり注意点が必要です。
フットテクニックは大きく2つに
分類されます。
・ヒールアップ
・ヒールダウン
この使い分けが大事になってきます。
ヒールアップの場合
かなり長い時間、足を浮かせてい
ることになります。
数曲は可能ですが、2時間など
長時間はかなり練習が必要です。
やる場合には左足と腰の強化と
一緒にやった方がいいと思います。
実際ライブをやってみると
足がパンパンになっていますよ。
ヒールダウンの場合
ヒールダウンは常に両足が床に着いて
いますから安定性はあります。
安定性はありますが、やはり
パワー不足であることは否めません。
基本はヒールアップでやり
疲れたらヒールダウンを取り入れる
というスタイルがいいかもしれません。
私の場合はこのスタイルでした。
本家スリム・ジム・ファントムはどう叩いている?
スリム・ジム・ファントムの映像では
太ももの位置がポイントです。
ほとんどの曲でヒールアップで叩いています。
ビーターを打面に押しつける
クローズド奏法ですね。
たまに全くバスドラムを使わない
ときもあります。
これはパフォーマンスと休憩ですね。
スタンディング・ドラムはやはり特殊
な奏法と思います。
練習することで通常のドラムでは
得られない部位が鍛えられますから
トレーニングの一要素として考えると
いいかもしれません。
是非、皆さんも試してみて下さい。