初めてジャズを聞く人やジャズドラム
を練習し始めた人によく質問されることがあります。
『ドラムソロの後、よく皆一緒に揃いますね? 』
とか
『いつドラムソロを入れるのですか? 』
などといった質問です。
ジャズに親しみが無い人にとっては、
アドリブソロやドラムソロを感覚でやっているように感じるのでしょう。
なぜあんなに息がぴったりに
合わせられるか不思議に思うようです。
これは
ジャズの構成を理解していないことからくる疑問です。
ジャズの構成を理解すればすぐにわかります。
Contents
ジャズの構成を知ろう!
ジャズの演奏は、まずメロディー部分を奏でます。
そのメロディー部分にはコード(和音)が付けられ
そのメロディーの最初から最後までを
1コーラスという単位で呼びます。
ジャズはこの1コーラスのコード進行を何度も繰り返すのです。
アドリブ(1コーラス)
アドリブ(1コーラス)
・
・
・
アドリブ(1コーラス)
メロディー(1コーラス)
ジャズの演奏ではこの1コーラスの中身
を知っておかねばなりません。
この中身をフォームといい、ジャズ
スタンダードナンバーは曲を理解する上で、このフォームを利用します。
このスタンダードナンバーで
もっとも多いのが次の2種類です。
●AABAタイプ
A8小節
A8小節
B8小節
A8小節
●ABABタイプ
A8小節
B8小節
A8小節
B8小節
演奏する順番は、例えば
テナーサックス、
ピアノ、
ベース、
ドラム
というコンボでの演奏した場合を考えてみましょう。
最初にテナーサックスがメロディーを
取ったとします。
その場合はアドリブもテナーサックスから始め、
ピアノ、ベース、ドラムソロ、
そして再びメロディーという構成になります。
メロディー(テナーサックス)
アドリブ(テナーサックス)×X回
アドリブ(ピアノ)×X回
アドリブ(ベース)×X回
アドリブ(4バースドラムソロ)×X回
メロディー(テナーサックス)
ドラムソロの場合は
必ずやるということは無く、
ジャムセッションでは
一番最後に回ってきます。
その場合はソロの掛け合いを行います。
4バース(フォーバース)、8バース(エイトバース)の意味
4バースとは4小節という意味で、
ソロイスト4小節、ドラムソロ4小節の掛け合い
を行います。
同様に、8バースは8小節の掛け合いを言います。
この掛け合いは、コード進行通りに行います。
ドラムはコードはありませんので、
構成通りに行います。
AABAタイプを例にとり説明すると、
各8小節の後半の4小節の部分がドラムソロになります。
●AABAタイプ
A8小節
(誰かのソロ4小節/ドラムソロ4小節)
A8小節
(誰かのソロ4小節/ドラムソロ4小節)
B8小節
(誰かのソロ4小節/ドラムソロ4小節)
A8小節
(誰かのソロ4小節/ドラムソロ4小節)
このように曲の構成がわかれば、
ドラマーはどんな曲でも演奏できるようになります。
ドラムソロを上手くプレイする考え方
一方で、何年もやっているが、
4バースが上手くいかないと
訴える人も少なくはありません。
4バースに限らず8バースやドラムソロは
自分の中から出るリズムによります。
暗記しただけのフレーズでは機械的で、
流れるようなソロはできないのです。
では一体どうやったらソロが
上手くなるのでしょうか?
曲には、メロディ、ハーモニー、リズム
が含まれています。
上手くいかないドラマーほど
リズムだけの価値観にとらわれてしまい、
頭でっかちになっています。
少なくとも、その曲の歌詞が自由に
歌えるように訓練し、
歌詞の意味まで日本語で
理解することが必要です。
そうして一つの曲の理解が深まれば、
基礎練習とともに自然とドラムソロはできてきます。
わざわざドラムソロ集などの
教則本もいりません。
4バースが上手くいかない人は
十分な基礎トレーニングと曲の理解をして下さい。
そうすれば必ず出来るようになりますよ。