ジャズドラムと他のポップやロックの
音色を聴いて皆さんはどう感じるでしょうか?
良い音でドラムセットを鳴らすという点
では全く同じですが、
一般的にジャズドラムの方が高く
他のジャンルは低くなっていると思いませんか?
なぜ、ジャズドラムは高くチューニング
するようになったのか?
このページではその当たりにフォーカス
して色々と述べてみたいと思います。
Contents
小口径になってきた歴史
ビ・バップ以前の古い映像を確認すると
バスドラムで大口径(24や26)使っています。
これはビッグバンドやコンボ関係なく
大口径のバスドラムが使われていたのです。
しかし、ビ・バップの時代になると、
18インチのバスドラムが主流になっていきます。
しかし、ビッグバンドでは22インチや
24インチのバスドラムで叩いています。
少人数で行うコンボだけが変化していきました。
これはメロディーラインの変化に関係があります。
ビ・バップ以前は比較的単純なベース
ラインでバスドラムはその補助音のような役目でした。
しかし、ビ・バップ以降はメロディが
より複雑になり、
ベースがより鮮明になる必要性が出てきたのです。
またドラムはドラムで只のリズムキープ
という役割から大きく脱却し、
メロディ楽器に対する『合いの手』の
役割に変化していきました。
こうした理由から音色的に18インチが
好まれて、いつの間が小口径がスタンダードとなったのです。
アコースティック楽器は基本的に生音
ジャズドラムとロックドラムの違いで
もう一つ決定的なことがあります。
『ミュートをしない』ということです。
ウッドベースやピアノなどの楽器も生で
倍音がでます。
一つでは気になる倍音も楽器同士では
別物変化していきます。
一方で、ミュートしてしまったドラム
と生のウッドベースでは少し違和感が出るのです。
逆にエレキベースとミュートドラムでは
相性が合うようになります。
時代の流れもアコースティックから
電子楽器に変化していったわけですから
ドラムのミュートもスタンダードになったというわけです。
しかし電子楽器で奏でたジャズはジャズではないと感じます。
ジャズドラムのチューニングのポイント
純粋なコンボジャズをやろうと思うなら
ジャズバーなどに置いてあるサイズを使います。
ハイタム:12インチ
フロアタム:14インチ
バスドラム:18インチ
タム類もサイズは色々ありますが、
これ以外のサイズはあまりジャズっぽくはないです。
(私のフロアは13インチを使っています。)
基本的に
『表ヘッド>裏ヘッド』
でチューニングを行います。
コンボジャズは結構なハイピッチですが
具体的に○○Hzという数値はありません。
ジャズでは生音のレコーディングが多い
ですから好きなジャズメンの音をイメージして下さい。
逆にロックやポップスではCDの音と
同じには絶対なりませんから注意して下さい。
(色々と音色をいじっているからです)
小口径と大口径の2つドラムを持っておく
私は個人的にスタジオに18インチと
22インチのセットを2つ置いています。
18インチはノーミュートで22インチはミュートしています。
なぜ、このようなことをするかと言えば
奏法を忘れてしまうからです。
18インチだけで練習を行うと22インチ
に戻ったときどうしても軽くなり
22インチに慣れてしまうと18インチの
コントロールが下手になるからです。
ジャズしかやらないという人もいるかも
しれませんが、
ビッグバンドではやはり大口径がいい
ですし、やはり両方オススメします。
ロックの人も18インチを練習することで
コントロール力が増すはずです。
しかし、一般的に2つのドラムセットを
自宅に持っている人は少ないと思います。
そういう人は、自宅では練習パッドで
思いっきり叩き、
休日に18インチの小口径ドラムで練習
してはどうでしょうか?
是非、皆さんも色々と試して下さい。