私の教室には、
下は6歳から上は80歳まで
様々な年齢の方が学びに来ていて
それぞれ楽しんでプレイされています。
たまに保護者の方が自分の子供に
ドラムを習わせたいと相談に来ます。
子供のドラムスタート時は
いつぐらいが良いのか?
というのがその内容です。
このテーマについて、
これまで20数年間教えた私の経験を
元に述べてみたいと思います。
Contents
メロディー楽器とリズム楽器の違い
ピアノの場合
まず小さい頃から習わせる『習い事』
の代表格にピアノがありますね。
おそらく多くの方が近所のピアノ教室
に通われた経験があると思います。
ピアノの場合は音感教育ですので、
小さい頃から始めれば始めるほど良いのです。
しかし、小さい子供は、
興味がある無しで極端な態度を取ります。
女の子に比べ男の子は興味を示さず
入会しても辞める率が高くなります。
私もそのうちの一人なので
すぐにやめてしまいました。
その代わり、少年の頃は
泥だらけで遊びまくっていました。
こういったパターンの子供が多く、
半ば親の強制でスタートした習い事は、
大抵の子供が続きません。
中には
演奏が面白く長く続ける子供もいます。
そういった子供は、ピアノが合っていた
わけですから、その環境はラッキーと言えます。
ドラムの場合は少し違う
保護者がドラム経験者でない場合は、
『眼中にもない』といった感じで、
子供の入会の場合は、ほとんど
子供が言い出しっぺから始まります。
おそらく、あの大きなスタイルに
大きな音ですので、楽器というより
『大きなオモチャ』の感じで
やってみたいと思うのでしょう。
しかし、このようにワクワクしながら
始めたドラムも、次第に熱が冷めて練習しなくなります。
中には楽しくて仕方ないといった
子供もいて、そういった子供たちは
グングン成長していきます。
私の元生徒で、10歳位からドラムを始め
13、4年教えた生徒が2人います。
その子達はドラムが大好きで
本当に練習する子たちでした。
それぞれ、国内の音大や
バークリーといった道に進み、
今ではレッスンプロ、
スタジオ・ミュージシャンとして
ドラムだけで生計を立てられるように
なった者もいます。
私も本格的にドラムを始めたのが
10代終わりですからドラムの始める時期は相当遅いのです。
子供にどうなってほしいのか?
ドラムや他の楽器をいつ始めれば良いか
という質問をする人は、
子供にどうなってもらいたいと
思っているのでしょうか?
自分の子供を音楽家として
成長させたいのであれば、
ピアノや他のメロディー楽器では、
早く始めた方が良いのは言うまでもありません。
音感はどうしても幼少の未開発の脳を
音楽用に発達させる必要があるからです。
趣味程度なら、ピアノを含め楽器は
いつ始めても良いと言うことになります。
プロを意識したとしても
ドラムやパーカッションの場合は、少し違います。
もちろん、素晴らしい指導者がいれば、
幼少から始めた方が良いのですが、
日本のプロドラマーを見ても、
現在活躍中の人は、
幼少の頃の英才教育でプロになった人は
少なく、高校生、大学生から始めた人の
方が圧倒的に多いのです。
リズム楽器は、後天的で、幼少の頃に
始めるより、大人になってからの方が
上手くなる確率が高いのです。
それは脳の発展にも関係しています。
リズムはパズルや数学の要素が多く
利詰め解釈で演奏が可能になるからです。
ドラムを職業として考える場合
ドラムで生計が立てられるくらい
上手くなる限界年齢を考えると、
やはり二十歳前がギリギリの
ラインのような気がします。
大人になり、プロを目指しても、
現実的な金銭問題や運動神経の問題で
挫折する確率が高くなるからです。
プロなど考えていないならば
いくつになっても構いません。
じゃんじゃんプレイして楽しめばいいと思います。
しかし20歳以降の方で
プロを目指すといった人は、
相当覚悟を決める必要がある
ということ忘れないでください。
でも、人生一回ですので、
思いっきりやってみるのもいいですよね?
道は沢山ありますからね。