私の教室ではジャズドラムに興味が湧き
ジャズドラムを習いたいという人が増えています。
しかし、自分で教本やDVDを見ても
なかなか理解できないと訴えをよく聞きます。
長年ドラム、特にロックドラムを
経験しているのに・・・
ジャズになると同じドラムなのに
全く違うと訴えるのです。
私は自分自身の経験上、
これは当然のことと理解できます。
でも安心してください。
必ず叩けるようになります。
Contents
なぜ、ジャズのリズムに違和感を感じてしまうのか?
ロックやポップスのリズム
というのは、ある一定の『型』の集合体です。
例えば8ビートというリズムは
右手で8分音符を叩き、
右足でバスドラムを1,3拍目、
スネアドラムで2,4拍目に叩くといった感じです。
これで1つのリズムを生み出し、
これを繰り返します。
こうしたリズムに慣れている人が
ひとたび、ジャズドラムの道に入ると
こういったパターンが無くなり自由に
ドラムを叩いているような感覚に陥ります。
まるで、自分勝手に叩いているような感覚です。
この感覚は当然で、私も含め
今活躍中のプロドラマーですら
そんな時期が必ず存在したのです。
ジャズドラムも『型』の習得から始まる
どのような練習をすればいいのか?
まるで自由で掴み所のない
ジャズドラミングですが、
本当に勝手気ままに
ドラムをプレイしているのでしょうか?
それは違います。やはり8ビート、
16ビートと同じように『型』が存在します。
ジャズドラムの基礎段階で
要求される技術は、
右手のシンバルレガートと
左足の2、4拍目のキープを持続しながら
左手と右足のフィルインです。
ジャズドラムの世界では、
このことを『コンピング』といいます。
この型の習得がジャズドラムの
最初の一歩となります。
具体的なトレーニング方法
8ビートや16ビートと同じように
『型』の暗記が必要になります。
この『型』の暗記はロックドラムと違い
1拍ごとの繰り返しです。
ここではシンバルレガートが
出来ると前提で話しを勧めます。
手のコンピング1
この譜例は、
右手でシンバルレガートを行いながら、
左手のスネアドラムが一つづつ
移動していくトレーニングです。
左足のハイハットの1、3拍目は
必ずカラ踏みを行いながら
2,4拍目に踏み込んでください。
テンポは80からスタートし、
テンポ10ずつ上げてください。
一つのシンバルレガートと
コンピングのトレーニングに
かける時間は10分です。
それをテンポ180までやります。
190あたりから3連符の感覚で
シンバルレガートをやると、
とげとげしさが出ていますので
8分音符のノリに変えていきます。
テンポ80 10分間
テンポ90 10分間
テンポ100 10分間
テンポ110 10分間
テンポ120 10分間
テンポ130 10分間
テンポ140 10分間
テンポ150 10分間
テンポ160 10分間
テンポ170 10分間
テンポ180 10分間
つまりは、
約2時間はこうしたトレーニングが
必要になります。
初心者やロックドラマーの人には
少々大変な思いをすると思いますが、
まだまだ序の口です。
手のコンピング2
引き続きコンピングの例題2を
やってみましょう。
足のコンピング
手のコンピングが終わったなら今度は、
足のコンピングのトレーニングです。
上記の譜面を全てバスドラムで
叩いてみてください。
この場合、足の踏み方にも注意が必要です。
ロックやポップスを中心に
プレイしている人達は、
おそらく踵(かかと)が上がっている
『ヒールアップ奏法』
を行っていると思いますが、
ここでは、『ヒールダウン奏法』
も一緒に行うようにしてください。
ヒールアップ奏法だとどうしても
表現ができないフレーズが出てきます。
ヒールダウンも一緒に練習しておきます。
もともとロックドラマーの人達は
足の裏側の筋肉でプレイするので
スネの筋肉が全く出来ていません。
筋トレも腹筋と同様、
背筋のトレーニングが必要なように
足も表と裏の筋肉を万遍なく
鍛える必要があります。
手と足コンピング2
次は手と足のコンピングを
作っていきます。
数例載せておきますので、
自分で可能な限り作ってみてください。
以下の動画は、
管理人のコンピングの例です。
覚えた『型』を自由に
使いこなしてください。
その他にやらなければならないこと
読譜
上記のトレーニングが終了したら
今度は、リーディングのトレーニングです。
テッドリードの『シンコペーション』
を使い、シングルラインのリズムを
コンピングに読み変えてトレーニングを始めます。
上記のトレーニングを繰り返し、
シンコペーションの譜読みが出来るようになると、
あなたは口で歌ったフレーズを
そのままドラムでプレイすることが可能になります。
コンピングが終わったら?
上記であげたジャズドラムの基礎
(コンピング)を十分に行いながら、
以下の2つを練習して下さい。
・ジャズドラマーの視聴
・自身の実演
ジャズドラマーの視聴
どのジャンルの世界でも同じで、
練習をしながら、お手本を参考にし、
新たに自分の血肉にしていく作業です。
そこで、必要となるのが
ジャズドラマーの実際の演奏の視聴です。
最近は動画など利用できますから、
技術的な問題は解決しやすいです。
私も利用していますし、
可能な限り動画を
このサイトに載せようと思います。
しかし、動画だけでは
解決しないものがあります。
圧倒的な『視聴の量』です。
ジャズドラムの感覚を体に
入れようと思ったら、
相当な年月がかかります。
しかし、
闇雲に聴けばいいかと言うと
そうではなく、
定番と呼ばれるものや、
名盤と呼ばれるアルバムを聞いて下さい。
アルバムは動画と違って、
実際に身体の動きがチェック出来ないじゃないか!
という意見もありますが、
音楽は『耳』の世界です。
耳から入ってきたフレーズを
自分なりに解釈してコピーしていく作業が
本当に重要になってきます。
私がジャズドラムの勉強を始めたときは、
何を聴いていいかわかりませんでした。
そこで、私なりに、
絶対に押さえておきたいジャズドラマーを
別記事で書いていますので是非参考にしてくだい。
自身の実演
十分な練習とジャズドラマーの視聴、
それともう一つ実演です。
いわゆるジャムセッションや
ライブをするということです。
私の教室にも多いのですが、
個人練習だけはやるのに、
ジャムセッションやライブを
やらないといった人たちがいます。
これは単純に
慣れていないだけなのですが、
本人たちは自身がない、
怖いという感覚から抜け出せていません。
しかし、ジャズドラムの向上には、
どうしても、この『実演』が必要になり、
避けては通れないのです。
下記に演奏に対する考え方を
書いていますので是非お読みください。
是非皆さん、
沢山練習し、沢山演奏してくださいね!