タイム感を養うためにはメトロノームの練習は不可欠です。
よく聞かれるセリフに
『クリックの使い過ぎは、機械的な音楽になる』
という意見がありますが、これは本当でしょうか?
このページでは、クリックについて
総合的にまとめていますので、是非参考にして下さい。
Contents
メトロノームは何の為に必要?
私は30年ほどメトロノームを使い
ドラムのトレーニングを行ってきましたが、
自分のプレイが機械の様に感じたことは
一度もありませんし、
周りからもそのようなことは聞いたことがありません。
そもそも、人間は機械のようなことを
しようとしても出来ないのです。
メトロノームの役割は、人間の感覚を
真っすぐにしてあげるための矯正器具なのです。
グルーブやノリといった人間独自の感覚は機械では作れません。
こうしたグルーブやノリといった
人間独自の感覚を習得するためにもクリックは欠かせません。
ですから安心してクリックを聴きながら
練習してください。
クリックを使った具体的な練習方法
ここでは代表的なクリックの練習方法を
述べてみたいと思います。
クリックを4分音符で鳴らす方法が一般的
ですが、その他にも色々あります。
クリックをウラで鳴らす。
裏、つまりはオフビートで鳴らすことで
リズムの感じ方がタイトになります
クリックを2、4拍で感じる
これはポピュラーミュージックでは、
バックビートと言われるものを感じることです。
その他にもたくさんあります。
下に関連リンクを設置していますので
参考にして下さい。
クリック音に関する注意点
ドラムの練習の際はクリック音を
聴きながらするのですが、注意点があります。
それは『スピーカー』で音を出すのか
それとも『イヤホン』でやるのかという問題です。
ドラムという楽器は音量が大きく、
クリックを聞く場合、音量を大きくしないと練習になりません。
CDを聞きながら練習する場合も同様で、
かなりの音を大きく鳴らしながらプレイします。
その結果どういう問題が起こるかというと
『難聴』
が起こってきます。
大きい音を繰り返し聴いているうち
段々と聴神経が壊れていき、
以前なら聴こえていた音が
聴こえなくなる状態をいいます。
管理人川端の経験談
何を隠そう、実は私も難聴の一人で
今は補聴器が必要な状態なのです。
思い返しても、10代からずっと
イヤホンをつけてトレーニングを繰り返し、
耳コピーもイヤホンをつけて繰り返し聴いていました。
そういう生活を何十年も続けていた
ものですから、気が付いた時には
時すでに遅く、相当耳が悪くなっていったのです。
ドラムで唯一後悔したことといえば、
耳の対策を行わなかったことです。
若気の至りと申しましょうか?
まさか自分の耳が悪くなっているとは
夢にも思わなかったのです。
難聴になると本当に不便です。
まず補聴器という機械は高額で、
安くて片耳20万円から50万円もします。
両方で中古車の値段がします。
その上、寿命は短く買い替えを
数年に一度はしないといけません。
またフィッティングと言われる
その人にあった音程を調節しなければなりません。
ある音程は丁度いいが、別の音程は大き過ぎる・・・
といった感じで、とにかく大変なものです。
目が悪くなると眼鏡を調整しますが
それとは比べものにならないくらい面倒です。
この経験を踏まえて、
今練習している人への老婆心として
アドバイスをしたいと思います。
スピーカーもイヤホンもある一定の
音量を超えると聴神経を傷つけてしまいます。
ドラムをプレイする場合、ドラム自体
の音が大きいものですから、音量を上げがちになります。
ですので、基礎段階のうちではパッドを
使用し適した音量で練習をするようにして下さい。
基礎の獲得はトレーニングパッドで十分です。
ではドラムセットで練習する場合は
どのようにしたら良いでしょうか?
ドラムセットで練習する場合
ドラムセットでは2種類の方法があります。
耳栓
スピーカーからクリックを出す場合
必ず耳栓をして下さい。
耳栓をすると、スピーカーの音が
聴こえなくなるのですが、
ドラムの音もカットされるので、
耳の保護としては効果があります。
耳栓の種類も豊富で、
様々なメーカーから出ています。
音楽関係の耳栓は楽器ごとに聞こえる
音域を変えてあったり、
ミュージシャンのために作られた
耳栓ですのでおススメです。
また、工業用に作られた耳栓は
音カットとして考えた場合、音楽用より優れています。
色々なメーカーを試されるといいでしょう。
もう一つの方法は、
ノイズキャンセリング付きイヤホンを使う
ノイズキャンセリングとは、外部の音を
ミュートし音楽だけを際立たせるイヤホンです。
このノイズキャンセリングの為に
ドラムの音がミュートされ、
音楽の音量を上げずに練習ができます。
以上がスピーカー、イヤホンを
使用する際の注意点です。
これらの練習は、音量がある曲の
練習には適していますが、
繊細なフレーズのトレーニングは、
耳栓などはせずに練習する必要があります。
どうぞ皆さん、自分は大丈夫と過信は
くれぐれも、しないようにして下さいね。
ライブでクリックは使用するべきか?
ドラムのトレーニングにはクリックを
使い、様々な練習を行う必要があります。
しかし、ライブでクリックを使うこと
に関してはどうでしょうか?
クリックを聴きながら、
周りのミュージシャンの音を感じ、
即座に反応が出来るでしょうか?
答えは、
『やれないことは無いが、オススメしない』
ということです。
ではここでは、その理由を解説していきます。
簡単なリズムなら可能
完全に習得しているリズムがあるならば
周りの状況を感じながら対応が出来ますから、
十分可能と言えます。
しかし、周りのプレイヤーも緊張や
興奮からどんどん正確なテンポが外れる場合もあります。
周りの音を無視するなら可能
周りのプレイヤーの音を完全に無視し
ひたすらクリックだけを聴くことに集中すれば可能です。
でもそんなの音楽ではないですよね。
相手に反応するなら無理
バンドは周りのプレイヤーとの
駆け引きの場でもあります。
すなわち、話し言葉と同じです。
いつも早口だけで会話ってあり得ないですよね?
臨機応変ということが必要です。
私の意見としては、
やはり十分トレーニングの段階で
クリックを聴きながら練習し、
ライブ本番は、周りの音を集中して聞く方が良いと思います思います。