アートテイラー(Art Taylor)
1929年4月6日アメリカ合衆国ニューヨーク生まれ
1995年2月6日没(65歳)
アートテイラーと聞いて、
どんなイメージを持っていますか?
アートブレキーのような轟音のロール、
マックス・ローチの歌うようなドラム、
エルヴィンのタコ足ドラム、
そういったイメージでいうと、
ふと頭を傾げる人も
多いのではないでしょうか?
Contents
知る人ぞ知るといった形容が一番合うドラマー
50年代から60年代は、個性豊かで、
様々なジャズドラマーが誕生した時代です。
アートテイラーもその中にあり、
素晴らしいドラミングを残しているのですが、
なぜか印象に残らないイメージがあります。
しかし、
普段流れているジャズのBGMの中には、
ひょっとするとアートテイラーの
ドラムが入っているかもしれない位、
数々のアルバムに参加しているのです。
ミュージシャンは有名なタイプと、
知る人ぞ知るといったタイプに分けられます。
有名な人はマスメディアの影響から
自然と名前を憶え、
知らず知らずに覚えてしまった
という人も少なくありません。
アートテイラーは、
そんな一般向けには有名ではなく、
ミュージシャンの中で有名というか、
数々のセッションに呼ばれる
『名脇役』のようなドラマーなのです。
脇役だから影を潜めているのかと言えば、
全くそうではありません。
シンバルレガートの完成度は素晴らしく、
一音一音に魂が込められていると
言っても過言ではありません。
アートテイラーのソロの特徴
ドラムソロに関しても
ビ・バップ独特のバスドラムを
裏に踏む奏法など、本当に
教科書として使えるフレーズばかりです。
アートテイラーのフレーズは
数種類のフレーズの組み合わせからなり、
ソローをコピーしていくと、
その組み合わせがはっきりとわかるようになります。
ここでは簡単ですが、
アートテイラーのソロの構築を
述べてみたいと思います。
アートテイラーというよりは、
ビ・バップのソロの基礎みたい
なものですから参考にしてください。
先ず手足の組み合わせです。
手足
手手手足
手足手足
手足○足
これだけなんです。
簡単でしょ?
この組み合わせを何パターンも作り、
ピアノやギターのリズムに
合わせながらソロを展開していきます。
もちろん、手の早さや
コーディネーションが出来るということは
言うまでもありません。
オススメのアルバム
Bass on Top
ポール・チェンバース
アートテイラーのブラシが
堪能できるアルバムです。
まるで職人の技のような感じで、
他のプレイヤーを引き立てます。
ギターのケニー・バレルも
素晴らしく、
ギターの人にも是非聞いていただきたい。
てか、全員素晴らしいんですがね♪
プレイヤー
Hank Jones (p)
Paul Chambers (b)
Art Taylor (dr)
Kenny Burrell (gt)
①Yesterdays
②You’d Be So Nice to Come Home To
③Chasin’ the Bird
④Dear Old Stockholm
⑤The Theme
⑥Confessin’
⑦Chamber Mates