難易度の高いフュージョン系、
プログレ系のバンドを
聴いているとたまに、
拍がひっくり返ったように
聞こえることがありませんか?
『あれ? 』
と思っているうちに
元に戻っていてる。
そんな楽曲です。
その後も何度も聴いても、
同じ部分で『?』なってしまう。
そういったリズムについて述べてみたいと思います。
Contents
スリップビートはなぜ生まれたか?
上記のように『あれ? 』と
思われる部分には
『スリップビート』
と言われるテクニックが使われています。
スリップビートのスリップとは、
『ズラす』という意味があります。
リズムで言えば、
本来あるリズムを4分音符や
8分音符分早く叩いたり、
遅らせて叩いたりします。
なぜこうしたテクニックを
使うかと言えば、2つの考えがあるようです。
・単調なリズムをよりスリリングにするため
・作曲者の意図で、リスナーにわざと小節の頭を分からなくさせる。
スリップビートを曲中でやるには、
前もって曲の完全な理解と、
完全なタイム感が必要ですので、
マニアックな固定のバンドを組むか、
自分で作曲するしかないようです。
普通の音楽の現場では、
要求されることは稀有です。
8ビートを使って理解する
スリップビートを練習する上で、
一番やり易いのが8ビートを使います。
やり方は、8分音符または、
4分音符前後にズラします。
16分ズラす方法は、
難易度が上がりますので、
ここでは省きます。
・8分音符、後にズラす
・8分音符、前にズラす
・4分音符、前後にズラす
STEP1 基本となる8ビートをやり込みます
基本となる8ビートを
メトロノームに合わせしっかり
把握するトレーニングを行います。
テンポ的には大・中・小の
3種類を徹底的に行います。
STEP2 8分音符、後にズラす
次のステップは8分音符分、
後にスリップさせるパターンです。
これを4小節、2小節、1小節づつ
基本となる8ビートとくっつけて練習して下さい。
STEP3 8分音符、前にズラす
次のステップは8分音符分、
前にスリップさせるパターンです。
これも上記同様、
これを4小節、2小節、1小節づつ
基本となる8ビートとくっつけて練習して下さい。
4分音符、後にズラす
4分音符分スリップさせると、
拍の頭とウラがひっくり返った
形になりますから、
自分で術中に落ちないように注意して下さい。
これも上記同様、
これを4小節、2小節、1小節づつ
基本となる8ビートとくっつけて練習して下さい。
※16分音符が一つでも入ると、
難易度が格段にあがります。
スリップビートの基礎を
理解するためには、
なるだけ簡単なリズムを使うことが
鉄則です。
またスリップビートは
特定のバンドの特定の部分だけに
使うようにしましょう。
頭でっかちになり、
聴いていてつまらなくなります。
ジャズやラテンではどうなのか?
スリッピビートが入っている楽曲は、
やはりフュージョン、プログレ系が多く、
それ以外ではあまりないですね。
というより、スリップビートのように
意図的にリズムの感じ方を変えてしまうと、
本来の曲の意味が分からなくなってしまいます。
管理人川端の考え方
私個人的な意見ですが、
スリッピビートは必要ないし、
する必要はないと感じています。
もちろん知識として
知っておくべき内容であり、
小節が狂わない訓練は
やった方がいいですが、
このようなテクニックが
はいった楽曲を聴いても
『で? なんなん? 』
という気持ちにしかなりません。
それよりももっと大事な部分があって、
その部分を鍛え上げる方が
先だと思います。
その部分とは、底辺の基礎であったり、
感動と言ったものであったり、
人それぞれです。
リズムが趣味であり楽しみである人は、
この限りではありませんが。