ギターやベースなどは、演奏前に必ず
チューニングが必要になります。
ピアノに関しては調律を行い、
音程からセッティングまで全てを行います。
しかし、ドラムに関しては、
厳密なチューニングはおこないません。
これまでのドラムチューニングは、
ドラマーの長年の勘のようなもので
行ってきました。
しかし、最近ではドラム用の
チューニングマシンが登場したり
スマホのアプリでもチューニングが
可能になっています。
このページではドラムのチューナーに
関して、私の経験と考え方を述べたいと思います。
Contents
ドラム・チューナーの種類
ドラムをチューナーで調整する場合、2つの方法があります。
それは、ヘッドの張力を調べる方法と
音の周波数を測定する方法です。
ヘッドの張力を調べる方法
ヘッドの張力を測るチューナーとして、
広く知られているものは
『タマ』のテンション・ウオッッチです。
これは、ヘッドの上に置き、
ボルトを締めることで、締め具合の数値で測定できます。
発売されたのは、30年程前でかなり歴史があります。
私も興奮して購入した覚えがあります。
それまで感覚で頼っていたチューニングを
針を見ながら測定でき今でも広く普及しています。
音の周波数を測定する方法
弦楽器をチューニングする際に振動を拾う
『ピエゾタイプ』という方式がありますが
ドラムチューナーの場合は
実際にマイクで拾い音の周波数や音程を測定します。
これで有名な商品は、2012年ごろ販売された
『チューン ボット』というものです。
タマのテンション・ウオッッチと違い、
デジタルで正確に音を均一にすることが出来ます。
私の経験
私が付き人をしていたとき、師匠の
ドラムをチューニングしなければなりませんでした。
しかし、どうしても師匠のような音が出せないのです。
毎日一緒にいて、毎日聞いているにも関わらずです。
そこで私は、当時発売されたばかりの
『タマ』のテンション・ウオッッチを購入し、
師匠のドラムを全て記録したのです。
その数値は驚くもので、
スネアが『80』の数値を付けると、
他のボルトも全て同じ数値なのです。
私がそのことを尋ねると、
師匠の返事は
『自分の好みだからじゃないの? 』
ということでした。
それからは、師匠の音を基準にし、
自分でチューニングし、
『タマ』のテンション・ウオッッチで
確認するという作業を繰り返しました。
そうこうしているうちに、
だいぶ再現できるようになったのですが、
ドラムを変えた途端出来なくなるのです。
テンション・ウオッッチの数字は
全く別物に変化してしまい、
材質も変わるため同じ音が出来ません。
しかし、師匠は何食わぬ顔をして、
さっさっと音を決めていきます。
私はこの経験から自分の耳で音を覚え、
ドラムの材質によって臨機応変に
やっていくしかないのだと自覚したのです。
それ以来私は、自分の耳と感覚だけ
でチューニングを行っています。
不思議なもので、年齢を重ねる度に
いい音が作れているような気がします。
もちろん、
機械を使ったチューニングは、
正確なトーンを作るためには良い製品です。
しかし、耳の修行といった面では、
あまり使わない方がいいかもしれません。
あくまでも数値化するもので、
完全な音を作り上げられるマシンではないからです。
絶対的音程が無いドラムの最大の良い点は、
自分で好みの音を作り出すことが出来るという点です。
もしあなたが、チューニングで
悩んでいるとしたら、
お気に入りの音を記録しておき、
その音に近づけるための練習に
使用したらどうでしょうか?
いつまでもマシンに頼ってはいけないと思うのですが?