シャドウ・ウィルソン
(Rossiere “Shadow” Wilson)
1919年9月25日アメリカ合衆国ニューヨーク州ヨンカーズ生まれ
1959年7月11日没(40歳)
Contents
シャドウの意味を知っていますか?
トム・クルーズ主演の映画
『ミッション・インポッシブルローグネーション』
で、いつものようにイーサンが
敵の情報をIMFから得るシーンがあります。
中古レコード店に入るイーサンに
綺麗な店員が語りかけてきます。
店員:『閉店ですが・・・』
イーサン:『すぐ済む』
店員:『お探しものでも? 』
イーサン:『何かレア盤をね』
店員:『当ててみます』
店員:『クラシック? 』
イーサン:『ジャズだ』
店員:『サックス? 』
イーサン:『コルトレーン』
店員:『ピアノは? 』
イーサン:『モンク』
店員:『ベースはシャドウ・ウィルソン』
イーサン:『シャドウはドラムだ』
店員:『なぜシャドウ(影)なの?』
イーサン:『ライトタッチだった』
イーサンは、シャドウ・ウィルソンの
ドラムを”ライト・タッチ”と表現していました。
この脚本家は、相当ジャズが好きなようです。
シャドウ・ウィルソンの
”シャドウ”はニックネームで、
彼のドラミングからそのあだ名が付けられたようです。
特にブラシはまさに”シャドウ”そのもので、
ひっそりと影をひそめていますが、
決してまわりのプレイヤーから離れられない。
そんな存在でした。
なぜ知名度が低いのか?
実は、シャドウ・ウィルソンは、
アート・ブレイキーがジャズ・メッセンジャーズをスタートする前、
ライバル関係にいたドラマーでした。
彼らのドラムは共通する部分が多いのです。
1950年代のジャズメンは、
ケニー・クラークから派生していますから、
共通のパルスというのは皆同じで、
その中から個性を出して、
抜き出ようとしていました。
二人の個性がはっきり出たのは、
アート・ブレイキーが
ジャズ・メッセンジャーズを
スタートしたハードバップ以降です。
ここからは皆さんご存じの様に、
アート・ブレイキーの方が
知名度がグンと上がったんですね。
では、シャドウ・ウィルソンは
名前が出なかったか?
アート・ブレイキーがジャズ・
メッセンジャーズをスタートした1954年、
シャドウ・ウィルソンは、
サド・ジョーンズなどの主要
ジャズメン達と演奏活動を開始しています。
なかでも、彼の名前が世の中に
広まったのは、
セロニアス・モンクとの共演でした。
1958年まで活動を共にしていきますが、
シャドウ・ウィルソンは
ヘロインの過剰摂取で40歳の若さで亡くなります。
もっと長く生きていれば、
アート・ブレイキーと同様に
世界中のジャズドラマーから
注目されていたのでしょうね。
実に残念なことです。
オススメのアルバム
アルバム
『THELONIOUS MONKWITH JOHN COLTRANE』
は、シャドウ・ウィルソンと
アート・ブレイキーが参加しており、
二人を聴き比べることが出来ます。
プレイヤー
セロニアス・モンク(p)
ジョン・コルトレーン(ts)
コールマン・ホーキンス(ts)
レイ・コープランド(tp)
ジジ・グライス(as)
ウィルバー・ウェア(b)
アート・ブレイキー(ds)
シャドウ・ウィルソン(ds)
①Ruby, My Dear
②Trinkle, Tinkle
③Off Minor
④Nutty
⑤Epistrophy
⑥Functional