ジェフ”テイン”ワッツ
(Jeff “Tain”Watts)
1960年1月20日生まれ
アメリカ合衆国
ペンシルベニア州 ピッツバーグ
学歴:
バークリー音楽大学、
デュケイン大学
昔のオーソドックスな
ジャズスタイルなドラマーと違い、
今のジャズドラマーは、
あらゆるジャンルのプレイが可能です。
ちょうどの先駆けのような人が
ジェフ”テイン”ワッツです。
こうした変化自在のドラミングを
する人の特徴は、若いころは、
ロック、ファンク、ブルース
といった音楽を中心に行い、
大学入学以降、ジャズに傾倒する人が多いのです。
日本のジャムメンも同様のスタイルが
多いと思います。
ジャズなんだけど、
なんか違う要素が入っている
感じですね。
それもそのはずで、
ジェフ”テイン”ワッツのような
スタイルを聴いて
育った人達が今だ一線にいるからです。
他のフュージョンやロックの人たちは
この臭いがしません。スタイルが同じです。
ジェフ”テイン”ワッツも同様に
バークリー音楽大学に入学と
同時にジャズを始めます。
ジャズのセオリーとして、
古典的な奏法を学び、
暗記していきますが、
ジェフ”テイン”ワッツは、
そういったコピーをせず、
自分のフィールにジャズを入れる
逆のアプローチからジャズをスタートします。
この辺が、
ジャズしか出来ないプレイヤー
となんでも出来るプレイヤーに分かれてきます。
私もこの考え方です。
現存する音楽は全てプレイしたいですが
根底にあるのはジャズでありたいと
考えています。
Contents
ジェフ”テイン”ワッツの考え方
ジェフ”テイン”ワッツのプレイは、
ポリリズム的な要素が沢山あって、
難解です。
昔は、この人は感覚的に
叩いているんだろう考えていましたが
色々な文献を読んでみると、
かなり我々が練習するのと同じアプローチです。
例えば、3拍フレーズなどを習得する場合と同じです。
それから、アフロキューバンのような
感覚を感じながら叩きます。
メトリック・モジュレーションが
色々な曲で出ています。
メトリック・モジュレーションが
分からない人のために説明すると
曲中でがらりとテンポが変わることです。
良く使う手が
『倍テン』
と言われる手法ですが、これは簡単で、
本来8分音符で感じる音符を
4分音符で取りなさいという意味です。
しかし、本来2拍3連を4分音符で感じなさいと
言われてすぐできますか?
おそらく元の4分音符が消えてしまうのが
普通です。
ジェフ”テイン”ワッツはこれが自在で
操ることができます。
映像から見るジェフ”テイン”ワッツの特徴
ジェフ”テイン”ワッツプレイを
映像から見ると、
レギュラーグリップと
マッチドグリップを
叩き分けています。
肩と頭を小刻みに揺らしながら
リズムを取るスタイルです。
身体全体で
タイムキープをしているというよりは
身体全体で歌っているのでしょう。
レガートしているときは、
フレンチグリップでタム回しの際も
ほとんど方が動かないスタイルです。
このスタイル人は本当に多いですね!
ファンク系やアフロキューバンの際は
ジャーマングリップで、脇が少し
広がってます。
シンバルレガート
様々なアプローチに対応できるテクニック
を持つだけあって、爽快なレガートが効けます。
レガート中のスネアやタムの
コンピングも本当に気持ちよく
何年も聴いていられます。
ジェフ”テイン”ワッツのプレイは
過去の様々なプレイが合わさった。
そんな感じを受けます。
それでは、オススメのアルバムです。
ウイントン・マルサリス
『スタンダード・タイム』
ジェフ”テイン”ワッツの
メトリック・モジュレーションが
どのようなものか是非聞いてみてください。