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パパ・ジョー・ジョーンズ。ドラムだけでない人生を教えてくれる。

パパ・ジョー・ジョーンズ
(Papa Jo Jones)

1911年10月11日
米国イリノイ州シカゴ出身
1985年9月3日没(73歳)

先に紹介した
フィリー・ジョー・ジョーンズと
今回ご紹介する
パパ・ジョー・ジョーンズは
全く別人です。

たぶんジャズドラムを
志している人ならば
知っていると思いますが、
一応ウンチクとして書いておきます。

50年代に入り、
フィリー・ジョー・ジョーンズの
台頭により、
両者は間違えられるように
なりました。

そこで、
周りのミュージシャンが
音楽キャリアの長い
ジョー・ジョーンズの方に、
敬称を込めて
『パパ』
と名付けたそうです。

パパ・ジョー・ジョーンズを
初めて知ったのは
ビッグバンドに興味が出始めた
10代の最後位で
カウントベイシーのアルバムを
聴いてからです。

カウントベイシーの
ビッグバンドは
誰が聞いても
カウントベイシーとわかる雰囲気で、
ジョー・ジョーンズを
特化して聞くと言うよりは、
ビッグバンドのうちの
1つという聞き方をしていました。

その後、
ハドソン・ミュージックから
発売されているVHS
『クラッシク・ドラム』
というビデオの中で
パパ・ジョー・ジョーンズの
超絶テクニックを見ることになります。

これは、本当に驚きました。

何がすごいかというと、
今まで聴いていたドラマーは
ドラムとしてのテクニックが
秀でている人ばかりで、
極端に言うと
『ドバァ~』『ドカドカ』などの
形容がぴったりのタイプばかりだったのです。

しかし、
パパ・ジョー・ジョーンズの
ドラムソロは全く異質で、
完全にショーマンでした。

音楽を聴くというより、
ダンサーの踊りの様でもあり、
俳優のようでもあり、
とにかく私をくぎ付けにしていきました。

一体、どんな練習をしたら
こんな技を獲得できるのだろう?

当時集めることが出来る
本や資料など、
自分の収入の範囲内で
揃えました。

その中で、
パパ・ジョー・ジョーンズの
晩年を知ることができました。

パパ・ジョー・ジョーンズは、
ドラムで成功した1人です。

しかし、
晩年は悲惨な人生を
歩むことになります。

その裏では、
レコード会社の巧みな
戦略がありました。

レコード会社は
パパ・ジョー・ジョーンズが
活躍していた時代、
様々なミュージシャンと
契約はしていたものの、
印税契約などは結んでいなかったのです。

いわゆる1回の演奏で
幾らの世界です。

若い特は
売れに売れっ子ですから、
そのギャラも半端なく、
高級車、薬など
あらゆる快楽を
手に入れることが出来たのでしょう。

しかし、
そんな人にも
『老い』
というものがやってきます。

年老いた後、
若かりし頃の運動能力はなく、
ましてや時代は、
ビ・バップ、
フリー、
フュージョンへと
移っています。

ロングセラーとなった
レコードも全て会社の財産です。

晩年のパパ・ジョー・ジョーンズは、
古いビルに住み、
生活保護を受けていたそうです。

自分のレコードを
その生活保護の中から
出して購入し、
『これが俺なんだ』と
周囲に伝えていたそうです。

私はこの一説を知り、
芸術に対する世間の価値観、
自分自身の方向性など
根底から考えさせられました。

『好きなドラムで食べていく』

その為にどうするか?
将来後悔しないためには、
どういう行動をとるべきか?

ドラムはもちろんですが、
こうした人生設計も
パパ・ジョー・ジョーンズが
私に教えてくれたものです。

それでは、オススメのアルバムです♪

JO JONES TRIO
パパ・ジョー・ジョーンズ

プレイヤー
レイ・ブライアント(p)
トミー・ブライアント(b)
パパ・ジョー・ジョーンズ(ds)

①Sweet Georgia Brown
②My Blue Heaven
③Jive At Five
④Greensleeves
⑤When Your Lover Has Gone
⑥Philadelphia Bound
⑦Close Your Eyes
⑧I Got Rhythm (Part I)
⑨I Got Rhythm (Part II)
⑩Embraceable You
⑪Bebop Irishman
⑫Little Susie

管理人川端のまとめ

・1911年10月11日米国イリノイ州シカゴ出身1985年9月3日没(73歳)

・50年代に入り、フィリー・ジョー・ジョーンズの台頭により、両者は間違えられるようになり、敬称を込めて『パパ』と名付けた。

・パパ・ジョー・ジョーンズはカウントベイシードラマー。

・ハドソン・ミュージックから発売されているVHS『クラッシク・ドラム』というビデオの中でパパ・ジョー・ジョーンズの超絶テクニックを見ることが出来る。

・パパ・ジョー・ジョーンズのドラムソロは全く異質で、完全にショーマン。

・音楽を聴くというより、ダンサーの踊りの様でもあり、俳優のようでもある。

・パパ・ジョー・ジョーンズは、ドラムで成功した1人。しかし、晩年は悲惨な人生を歩むことになる。

・ドラムはもちろんですが、こうした人生設計もパパ・ジョー・ジョーンズが私に教えてくれた。

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