ドラムセットには、フロントヘッドに
穴が空いているものとそうでないものがあります。
他のスネアドラムやタムタムは
空いていませんね?
これは一体どういうことでしょうか?
このページではバスドラムについて
色々と述べています。
Contents
なぜバスドラムのフロントヘッド穴を空けるようになったのか?
バスドラムのフロントヘッドに穴
を空けるようになったのは、
サウンドの変化によるものです。
アコースティックが主流だった音楽から
電気によるサウンドが徐々に広まっていきました。
ピアノやウッドベースなど全て木製で
全てが空洞を持つ楽器です。
そうした楽器間のアンサンブルは、
楽器の響きというもが重要になってきます。
倍音そのものが音楽の要素だったのです。
ロックの台頭で電気信号に変換された
サウンドは楽器間の共鳴や倍音より
よりアタックの強い、大きなサウンドが
合うようになりました。
当然、バスドラムもアタックの強い
サウンドを求められるようになり
フロントヘッドに穴を空ける方法で
音量のアップが図られるようになりました。
ミュート方法の拡散(毛布の利用)
穴を空けただけですと、
ドンと最初のアタック音は強くなります。
それに加えてドラム自体の胴鳴りも大きくなります。
この銅鳴りを防ぐためにバスドラム
の中に毛布を入れて完全にミュートするようになったのです。
バスドラムに毛布を入れることで、
サウンドがわからなくても
いつでもどこでも同じ音が出せるので、
これも瞬く間に広がって行く要因となります。
ジャズドラムでのバスドラの役割
ジャズではアッタクの利いたバスドラム
のサウンドはロックに比べてあまり必要ではありません。
もちろん、ここぞというときは、
アタックの効いたサウンドを出しますが、
全体的には胴鳴りのふくよかなサウンドを好みます。
このような背景から、バスドラムに穴を
空けるスタイルとそうでないスタイルが誕生したのです。
バスドラムのフロントヘッドのデザインについて
プロドラマーはバスドラムのフロントヘッドに
色々なデザインを施している人が沢山いますね。
ステージの奥で縁の下の力持ち的な存在の
ドラマーにとって目立つ方法でもあります。
このようなデザインは好みの問題ですから
やりたいと思えばやってみてください。
バンドをいくつも持っているドラマーは
大変かもしれませんが、またこれも楽しみですよね♪
私も何を隠そう、バディ・リッチ、
ジーン・クルーパのような
昔のジャズメンのフロントヘッドにしたことがあります。
自分がバディ・リッチ、ジーン・クルーパ
になったようでとても楽しんだ経験があります。
スネアドラムはどうなの?
ではスネアとタムタムはどうかというと、
まず太鼓自体の大きさが原因です。
バスドラムに比べて小経口ですから、
胴鳴りがあっても、
ガムテープや、リングミュートで
倍音は容易にカットできます。
スネアに関しては、スナッピーも
倍音カットの役をかっています。
ですので、スネアやタムには
穴を空ける必要はない訳です。
両方のススメ
若い世代の人でフロントヘッドに穴を空け、
毛布やタオルでミュートするタイプが多いですね。
出来ればノーミュートのバスドラムも
演奏に取り入れてほしいと思います。
ノーミュートでトレーニングすると
色々な恩恵をもたらしてくれます。
まず、必然的にクローズド奏法が
出来なくなります。
バスドラムの打面に押し当てる
クローズド奏法は、ビーターと
ヘッドが震え、ブルブルとノイズの
ようなサウンドがします。
一方、オープン奏法を行うと、
ミュートだろうが、ノーミュートだろうが
打音をコントロール出来ますので、
脚のコントロール力が遥かに上がります。
しかし、プロミュージシャンですら、
22インチでミュートをしてある
バスドラム以外叩いたことがないと
いう人もいますので、これは時代の流れかもしれません。
もう亡くなった私の師匠は、
ビックバンドジャズの全盛期に活躍したドラマーです。
24インチのバスドラムをノーミュートで
プレイしていました。
そのサウンドは、素晴らしく、
私は足のコントロール力の必要性を感じたものです。
是非、皆さんも両者出来るようトレーニングして下さいね。